過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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7: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/14(金) 23:16:27.68 ID:JGBQ+Wk30


 俺は、持って来たタオルを彼らに投げてやった。それを受け取った女性が、マジマジとこちらを見つめてくる。

「寒いだろう。とりあえず、それで体を拭け」

俺が言ってやると、女性はおずおずと、タオルで子ども達の体を拭き始めた。

 俺とハンナは床に座って、鍋の中のスープをマグに分ける。ハンナのスープはうまい。

 こういう差し入れは、基本的には罰則の対象。バレたら、ヤバい。

だが、俺とハンナは気になる捕虜や囚人がいると、こうしてせめて食事だけでも、と隠れて持ってきていた。

これが初めてってわけじゃない。

しかし、今回は異例すぎる。今までこんなことをしてきた相手は若い女の捕虜くらいなもんだったが、子どもは初めてだ。

あの大尉殿、こいつらにまでムチで殴るような尋問をするつもりだろうか…いや、まずはあの女性を狙う、か。

女性を殴っているところを子ども達に見せつけて、子ども達から先に口を割らせるつもりだろう。

いや、先に子どもをやるかもしれないな。それを女性に見せつける方が、効果的だ…くそ!

 拷問に耐える様な特別な訓練を受けているやつは大抵、殺されるまでやられる。

あの女性は、どうだろう。

 どういう関係なのか知らんが、あの子ども達の前で、彼女は殺されるかもしれない。

それを見て、子ども達が正常でいられるかどうか…

 「ほら、食べよう」

ハンナが彼らに声をかけた。

 5人は、警戒しているのか、こっちへ近づこうとはしない。それもそうだろう。

俺はハンナが取り分けたマグの一つを無造作に取って口に運んだ。それから

「飲んどけ」

とだけ言った。ハンナが床に座ったまま、ズリズリと5人の方にすり寄っていく。

ハンナ、それはちょっと怖いかも知んないぞ。

 すると、5人の中で一番幼く見える少女が、手を伸ばした。

「待って!」

不意に女性が叫んだ。少女はビクッとして手を引っ込める。

それから声を上げた女性は、ためらいながらマグの一つを手に取ると、ハンナの顔を見ながら、ゆっくりと口を付けた。

彼女は、すこしためらってから、スープを一気に飲み干した。





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