過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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764: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/21(土) 01:16:53.72 ID:2Wyk15q9o
 <ホントごめん、レナ。こんなときに居てやれないなんて…>

アヤが電話の向こうでしょんぼりしている姿が目に浮かぶ。

「大丈夫だよ、こっちにはマライアもレオナもいるし、人手は十分だから。アヤこそ、気を付けてよ」

<うん、分かった…>

そう言ってあげたのに、アヤはまだ立ち直っていないみたいだ。まったく、世話が焼ける大黒柱だこと。

 そんなことを思っていた私の手から、マライアが受話器を奪い取った。

「アヤさん!うだうだ言ってると、鉄拳制裁だよ?」

<あぁ?やれるもんなら、やってみろよ!>

「あはは、その意気その意気。こっちは大丈夫だからさ。レナさんの言うこと聞いて、アヤさんはアヤさんの安全を確保しなさい!」

<ちぇっ、あんたにまで言われるとは思わなかったよ…。分かった、今日はもう、無理はやめてホテルを取る。

 マライア、あんた、みんなを頼んだからな>

「うん、任せて!その気になったらハリケーンの一つや二つ、メガ粒子砲で吹っ飛ばしてやるんだから!」

マライアはそんなことを言って可笑しそうに笑っている。私はそんなやりとりを、懐中電灯の電池をチェックしながら聞いていた。

 アヤは、珍しく海の向こうの港まで、お客を船で送って行った。

昨日から近海に発生したハリケーンは、そのまま西にコースを取るって予報だったのに、なにがどう変わったのか、

まるで反対方向の、島の方へと進路を取ってきた。

このあたりじゃあ、ハリケーンは迷走するから、こんなことは珍しくもないんだけど、

今回ばかりは少し、タイミングが悪かった。

 アヤはここから南へ100キロほどのところにある港街で、足止めを食ったらしい。

いや、無理してでも帰ってくる、と言いだしそうな雰囲気だったので、絶対にそんなことはしないで、と口を酸っぱくして言った。

ペンションの中でハリケーンに襲われるのと、海の上で襲われるのとでどっちが危険か、なんて、アヤならわかりそうなものだけど。

本当に、私達のこととなると、見境がなくなっちゃうんだから、アヤってば。

 それは嬉しくもあるけど、ちょっぴり心配でもある。

いつだったかロッタさんが私に、アヤが突っ走りそうになったら止めてね、なんて言ったことがあったけど、

確かに、思い返せばそんなやりとりをしてきたことは多いよね。

 「んじゃ、気を付けてね!」

マライアがそう言って電話を切った。受話器を置きながら鼻息荒く

「まったく、アヤさんてば!聞き分けの悪いヤツ!」

なんて言っている。それもまた、なんだか可笑しくって笑ってしまった。

 パタンと音をさせて、ホールにレオナと、それにくっついてロビンにレベッカがやってきた。

「2階のシャッター、締め終わったよ」

「かんりょうしました!」

「いろう、ありません!」

レオナの報告に、二人がピンと気を付けをして敬礼しながら言う。これは、マライアとやっているごっこ遊びの続きだだ。

「うむ!ロビン隊員、レベッカ隊員!ご苦労であった!」

マライアも負けずにピンとなって敬礼を返す。

 「さって、じゃぁ、ペンション防衛隊は、そろそろおやつにしようか」

「わ!食べる!」

「今日はなに?シュークリーム?」

レベッカったら。シュークリームは、昨日食べたでしょ?今日は、パンケーキ!
 


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