過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/10/01(火) 00:08:25.94 ID:ObsLsi9Ro
それから少し休憩をさせてもらってから、あたし達は施設の建物を出た。
「すこし、収まってきましたね」
マリオンが空を見上げて言うので、あたしもつられて、空を仰いだ。
風も雨も、さっきまでと比べたらほとんど収まったも同然だ。夜空には雲が切れて、微かに星の瞬きさえ見えている。
「目に入ったのかな」
昼間の予報通りの進路と速度で通過しているんだったら、そろそろ中心が通過してもおかしくはないタイミングだもんね。
「目?」
マリオンが聞いてくる。そっか、知らないんだね。
「うん、そう。ハリケーンって言うのは、大きな雨雲の渦巻きなんだよ。
目って言うのはその中心で、そこには雲もなくて、ぽっかり穴が開いてるんだ。
衛星写真に写ってるから、帰ったら見せてあげるよ」
あたしが説明したらマリオンはふうんって表情で、コクコクとうなずいてくれた。そりゃぁ、不思議だろうね。
「今のうちに早くもどっておかないと。すぐに目を抜けて、また暴風域に入っちゃうからね」
「…そっか、今度は、後ろ側が来るっていうことですね」
「うん、そうそう、正解!」
あたしがそう言ってあげたら、マリオンはまた、少しうれしそうに笑った。
いつも無表情だよなって思ってたけど、こうして一緒にいると、マリオンもいろんな顔をするよね。
さっきみたいに大笑いするなんて、思ってもみなかったよ。
あたしはマリオンと一緒にワゴンに乗って、ペンションに戻った。
ガレージにワゴンを戻して、マリオンとあたりを見て回る。道路側や母屋の方にも特に大きな変化はなさそうだ。
施設に出るとき心配したけど、何事もなくって良かった。
と、思いながら部屋のほうに回ったあたし達は、二人してあっと声を上げてしまった。
庭には、アヤさんが作った露天風呂が会って、竹で出来た柵というか壁があった…はず、だったんだけど…。
ライトで照らしたその先に、そんなものはなくって、雨水がいっぱいに溜まって池みたいになっている岩風呂がむき出しでたたずんでいた。
確か、ごみや雨を防ぐのにフタもあったはずなのに…全部飛んでっちゃったんだ…。
油断したなぁ、車を運んだあとに見回った段階ではまだあったのに…
施設に行っているあいだに飛ばされちゃったんだ…そこいらを見渡しても、竹の一本も落ちてなんかない。
あぁ、どうしよう、アヤさんに謝んなきゃなぁ…
そう思ったら、急に落ち込んできた。でも、そんなあたしの肩をマリオンがポンポンと叩いてくれて
「仕方ないですよ。ペンションと母屋が無事だったんですから、柵くらいは許してもらえますよ」
と慰めてくれた。マリオン…優しいね…
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