過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
↓
1-
覧
板
20
798
:
◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/10/01(火) 00:09:40.19 ID:ObsLsi9Ro
パタンと静かな音を立てて、マリオンが部屋に戻ってきた。
「マライアさん、空きましたよ」
タオルで髪を拭きながらマリオンがそう言ってくれる。
「うん、ありがとう」
あたしは返事をして、マリオンにココアを差し出して、自分の分のマグを持ってズズッと飲んだ。体が温まる。
「どうして、嘘なんてつくんですか?」
急にマリオンがそう聞いて来た。
「あぁ、うん…」
聞いてたの?ううん、聞こえちゃったのかな、近くにいたら、感じちゃうもんね、どうしたって。
別に、嘘をついてるってわけじゃ、ないんだ。まぁ、隠しているってのは本当のことかもしれないけど…。
どうしてか、って言われたら、ね。もちろん、レナさんにはのんびりしてもらって、
優しいままでいてほしいなっていうのが一番だけど…
それと同じくらいにね、最近、あたしにとってのレナさんって、なんなんだろうな、って考えるんだ。
まぁ、言っちゃえばアヤさんとおんなじ、大好きなお姉さん、なんだけどさ。でも、じゃぁ二人ともそれだけかって言われたら、そうじゃないんだよね。
アヤさんじゃないけど、あたしは本当に家族だって思ってる。血も繋がってないし、ずっと一緒に過ごしてきたわけじゃないけどね、
でも、マリ達を見てたら、あたしも、二人をそう思うようになったんだ。
もちろん、レオナやロビンにレベッカに、マリオン、あなただってそう。
家族って、さ。一緒にいると幸せで、あたしはついつい甘えてばっかりになっちゃうけど、
本当は、オメガ隊にいたころと同じなんだよね。
一人一人になんとなく役割があって、それを家族の一員としてこなしてるんだ。
今日みたいな日は、アヤさんが外周りで、レナさんはペンションの中をやりくりして、
レオナはロビンとレベッカを見ててくれて。
あたしは、そのときどきに合わせて、アヤさんにくっついて手伝いをしたり、
レオナと代わって、ロビン達の面倒をみたりしてきたけど、さ。
それだけじゃ、足りないなって思ったんだ。
あたしは、もっとこの家族のためにたくさんしてあげたいって、そう思うようになった。
アヤさんは荒っぽく、レナさんは優しく、レオナはひょうきんにあたしを甘えさせてくれたり楽しませてくれる。
なんにもないときって、あたしはしてもらってばっかりだ。
だから、こういう時くらいは、あたしがみんなのために頑張らなきゃって思った。
ここには、あたし専用の仕事なんてない。その代わりに、あたしはどんな役回りだって、完璧にフォローするんだ。
きっとそれも、大事な役割だって思うんだよね。だって、家族なんだもん。一番大事なのは、助け合いでしょ!
「家族、ですか」
あたしが思っていたことを伝えたら、マリオンはそう言って、穏やかに笑った。それから、ちょっと虚空を見つめたかと思ったら、またあたしの目を見て
「いいですね、それって」
と、今度は嬉しそうな笑顔を見せてくれた。マリオンも、早くここに慣れると良いね。
そしたら、今以上にきっともっと楽しくなれるからさ!
だってここには、ハリケーンも来るけど、青い空と青い海があって、太陽みたいなアヤさんに、海みたいなレナさんがいるんだから!
なんてことを言う代わりに、あたしもマリオンに笑顔を返してからイスをすすめた。もうじきまた暴風雨になるだろう。
腹ごしらえをして、見回りの準備を進めないといけない。
本当はひとりでやるつもりだったけど、マリオン。手伝ってくれて、本当にありがとうね!
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
837Res/1090.45 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが… -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1371217961/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice