過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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805: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/10/02(水) 21:32:46.32 ID:bHj1zBz9o



 「隊長、それ、なに?」

「えぇ?どう見たってあそこにいる鳥でしょ?」

「鳥さん!?これ、鳥さんなの!?」

「鳥っていうより、ナメクジみたいだね…」

「えぇぇ!?レオナまでひどい!そりゃぁ、ちょっとバランス悪いけど、どう見たって鳥でしょ!?」

「隊長、鳥さんのお目目は、頭についてるんだよ?角の先には、ついてないよ?」

午前中の内に片づけを終えて、お昼を食べながらマリオンと昨日話題になった絵の話をしたら、

それを聞いていたロビンとレベッカも描きたい!なんて言いだしたから、それにマライアとレオナも混ざって、

デッキに出て庭から見える青い海と青い空を並んでスケッチブックに描いていた。

話の感じだと、マライアの絵は、相変わらずみたい。

 私は昨日洗濯できなかったシーツを干しながらそれを眺めていた。

デッキに出た四人は、まるで本当の家族みたいに、わきあいあいと騒いでいて、見ているだけでなんだか暖かな気持ちになってくる。

 アヤはお昼を食べてから、施設の方に向かった。

なんでも木が倒れて、建物に被害が出たらしくって、その除去作業のお手伝いだ。

建物自体は保険に入っているらしいからすぐにでも修繕できるだろう。大きなケガをした子どももいないみたいなのは幸いだった。

「レオナママ!見て!わたしも鳥さん描いたの!」

「わたしも!」

「へぇ、すごい!二人とも、マライアより上手だよ!」

「なんだと!?レオナの絵も見せてよ!絶対あたしの方がうまいに決まってる!」

「えぇ?良いけど…ほら」

「…えぇ?!ぐぬぬ!レオナにこんな才能があったなんて…!!」

「ママじょうず!」

「隊長、どんまいだね」

 もう、ほんとに相変わらずにぎやかなんだから。マリオンの感じを、本当にどうにかして分けてあげられないかなぁ…

そう言えば、マリオン、さっきはデッキに出てたのに、どこかに行ってしまったのか、姿が見えなくなっている。

 私は気になって、その姿を探すと、彼女はホールの中に入って、イスに腰掛けて、

そんな4人の後姿を見つめていた。なんだか、とっても幸せそうな笑顔を浮かべている。

シーツを干し終えてから私は、ホールに戻ってマリオンのところに行ってみた。

絵、描きたくなかったのかな、と思ったら、違った。

マリオンは、膝の上にスケッチブックを乗せて、鉛筆で描いた下書きに、固形のウォーターカラーで淡く色付けをしていた。

邪魔しないようにそっと覗いていたつもりなんだけど、マリオンには気が付かれてしまった。

彼女は私を見て、ニコッと笑顔を見せてくれる。
 


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