過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/10/07(月) 20:09:53.29 ID:m3HfRBlIo
「大尉は、俺のこと、気づいていますか?」
俺は、大尉に聞いた。大尉は、首をかしげて
「なんのこと?」
と聞いてくる。
「俺が、あなたと同じだっていうこと、です」
俺は端的に応えた。大尉は静かにうなずいた。
「そうなんじゃないか、とは思っていたよ。あなたは、普通の人に比べたら、勘が強すぎるから、
もしかしたら、って、ね」
「だとしたら、大尉が何を感じているのかを知ってるっていうのも、分かってもらえますよね?」
「うん…」
大尉はまた、静かにそう言ってうなずいた。
「俺は、大尉ほどに強い能力があるわけではありません。だから、大尉が何を考えているのかはわかりません。
ですが、なにか考えていることがあり、それについてどう感じているのかは、うっすらとわかります。
大尉、ライラ大尉のことは、あなたのせいなんかじゃない」
俺がそう言ったら、マライア大尉は両手で顔を覆った。それから、掻き消えそうな声を絞り上げる。
「だって…あのときあたしが、あの子をもっと強引に誘っていたら…
あの子は、宇宙でなんか死ななくって良かったかもしれないのに…
あたしは、あたしはまた、大事な人を助けられなかった…」
「それは違いますよ、大尉。ライラ大尉は、自分の信じる道を生きたんです。その結果なんですよ…
それに、遠く離れたあの人を助けることなんて、あなたにはできるはずがなかった。違いますか?」
「分かってる!でも…!」
大尉は、そう叫び声をあげて、俺を見た。俺は彼女の目をジッと見つめた。
大尉は、何かを言いかけて、それをグッと飲み込んで、脱力した。
「そう…分かってるんだ。ライラは、ライラの義を通したんだって…。
あたしには、あの子をどうすることもできなかったんだって。
だけど、それでも…あんないい子が、どうして死ななきゃいけないのって、そう思うんだ。
ちょっと間だったけど、あんなに仲よくしたのに…お酒飲んで、ケンカして、笑ったりしてさ…
大好きだったんだ、あの子が。守ってあげたいって…ううん、ずっと一緒に居たいって、そう、思ってた…
ねぇ、ソフィアって子の話をしたことあったっけ?」
大尉は思い出したようにそう聞いて来た。今度は俺が黙って首を横に振る。
すると大尉は壁にかかっていた写真の一枚を手に取って俺に見せてきた。
「この、真ん中の車いすの子。その子は、ジオン兵でね。
あたしの基地に捕らわれてきたところを、みんなで助け出して、ジオンに送り返すつもりだった。
でも、彼女は戦闘で、あたしを庇って手足を吹き飛ばされちゃった。
あのころのあたしは、それはもうダメなやつでね。泣いてばかりで、みんなのお荷物。
その子だけは守ろうって誓ったけど、でも、それも出来ず仕舞いで、最後まで、仲間に甘えるしかなったんだ…」
大尉の昔話は、初めて聞く。確か、もともとは航空隊に居たって話だったとは思うが…
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