過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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97: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/20(木) 21:56:15.24 ID:d/VkRUTk0

 うらやましい、のか。まぁ、そうかもしれないな。

妹たちのこともそうだが、他に家族も、友達も、幼馴染みたいなやつも、ジオンにはいたんだろう。

そういうやつらと引き離されて、こんなところに連れて来られて…。

「寂しいのか?」

俺が聞いてみると、レオナは何か、意外そうな顔をした。

あれ、違ったのか?マジマジとその顔を見つめてしまった。

しばらくしてレオナは吹き出すと

「あー、そうか、そうだよね」

と笑いだした。

 いや、まて、なにが「そう」なんだ?

まさか、こいつ、俺の心を読んだのか?ニュータイプってのは、そんなことまでできるんじゃないだろうな?

「おい、どういうことだよ?」

俺が問い詰めると、レオナは笑って

「んー、マークは、優しいな、ってこと」

と言って、また明るい笑顔を見せた。

 いや、どういうことなんだよ、それ。もっと意味が分からないぞ?

 混乱している俺を見て、レオナは声を上げて笑い出した。くそ、まったく、ニュータイプって人種は、本当にわけがわからない。

 まぁ、でも。

 別にそんなことは、どうだっていいだろう。すくなくとも、もう、こんなところまで一緒に来ちまったんだ。

俺自身のためにも、ハンナのためにも、無事に逃げ通して、ジョニーの助けを待つほかはない。

それに、きっと、安心できる場所にたどり着いたときに、ハンナも、レオナも、サビーノやニケや、サラにエヴァも、

今以上の笑顔を見せてくれるだろう。そのために、今を必死で生きるのも、悪くない。

 夜風がまた、サワサワと吹き抜けて行った。明日からは、また怒涛の日々だろう。

今、この時間だけでも、俺はこの安心感を味わっておきたかった。

「ふふ、やっぱり、マークは優しいね」

唐突にレオナがそう言って笑ったが、俺はもう、気にするのはやめた。




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