過去ログ - 杏「甘えちゃいけない」
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52:[saga]
2013/06/15(土) 22:57:27.79 ID:rH3krSfi0



「結婚しよう」



「」

「あ、間違えた。結婚を前提に付き合ってくれ」

 あまりの衝撃にしばらく呆然となって、数秒後にハッとして意識を取り戻した。

「……い、いや、なにも間違えてないよそれ。えっ、ど、どういうこと?」

「公に発表すると事務所にダメージがあるかもしれないから、こっそり付き合うことになるが。それでもいいなら、俺と……」

「ちょ、ちょっと待って! いろいろ整理させて!」

 全然頭が追いつかないから、あわててプロデューサーの口を手で塞ぐ。何を慌ててるのかさっぱりわからない、みたいな顔してるプロデューサーに無性に腹が立つ。

 そ、そんな大事なことを、こんなあっさり言うなんて……

 ……いや、杏も結構あっさり告白してたかな?

「プロデューサーは、その、杏のこと、好きなの……?」

「好きだぞ」

「ど、どれくらい?」

「杏がどうしてもと言うのなら、プロデューサーをやめるくらいの覚悟はある」

「それは杏の命が危ないからやめてね」

 でも、プロデューサーがプロデューサーをやめるなんてよっぽどの覚悟かないと言わないってことは、これまでの付き合いで十分すぎるくらい知ってる。

 さっきの告白にだんだん現実感が追いついてきて、なんだか恥ずかしくなってきた。

 プロデューサーの腕に抱かれてる状態では、熱くなってきた顔を隠すこともできない。だけどプロデューサーにだけなら、そんな姿を見せてもいいかもしれない。

 だって……

「杏、顔赤いぞ」

「プロデューサーこそ」

「……む」

 結局のところ、杏たちの関係は昔から全然変わってなかったのかもしれない。

 けど、それでいい。プロデューサーと一緒に歩いてきたこれまでは、十分幸せだった。

 だからこれからもずっと変わらず、このまま二人で歩いていこう。

「絶対、幸せにする」

「プロデューサーの絶対は信用できるね」

「ああ。好きなだけ甘やかしてやるぞ」

「うん。『甘えちゃいけない』だなんて、もう考えないよ」

 がまんなんてしないし、これからは杏もプロデューサーを甘やかしてあげる。

 だから。



「いーっぱい、杏を甘やかしてね! プロデューサー♪」






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