26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/16(日) 22:00:43.90 ID:qhHCx2Gz0
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時計の針は午後8時を指している。
日中、降り続いた雨も上がっていた。
窓の外には仕事を終えた人々が傘を抱えて家路についているのが見える。
「プロデューサーさん……。明日からどうしましょうか……」
とある喫茶店の奥まった席で、ちひろさんはうなだれていた。
両手をテーブルについて、がっくりと肩を落とす。
「どうしようもないでしょう。こうなってしまった以上は仕事もできないでしょうし……」
正直なところ、居酒屋にでも直行したい気分だった。
アルコールで洗い流しでもしなければ、やってらいられない。
恐らく誰だってそう思うし、仮に今俺がそうしたとしても批判を浴びる事はないのではないだろうか。
「借金に詐欺、ついでに横領ねぇ……」
前髪で顔が隠れるくらいに落ち込んだ彼女を前に、俺は所在なさげに営業用のメモ帳をボールペンで塗りつぶしたりしていた。
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