40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/17(月) 22:04:02.02 ID:+xdrsuhW0
「ふう……」
会議室を去るアイドル達の背中を見送ったあと、大きなため息とともに俺はパイプチェアへと崩れこんだ。
平静を装い、説明を続けることがこんなにも心身を消耗するものだとは思っても見なかった。
俺の話に一通り納得し、「頑張りましょう」といった旨の言葉を掛けてくれたアイドルもいれば、俺の手を握り気遣ってくれるアイドルもいた。
だが、全員が全員、俺の説明に納得したわけではなかったようだ。
例えば、晶葉はその小さな身体には似つかわしくないような鋭い目つきで「助手よ、私に嘘はついていないな?」と詰め寄ってきた。
その目つきは、彼女が研究に勤しむ際に度々見せるそれによく似ていた。
実験に潜む失敗の原因や、論理のほつれを暴こうと思索する。
そんなときにする目つきだった。
「ああ、ついていない」
そう返すと、彼女は「ならばいいんだ」と一拍ほど置いて答えて部屋を後にした。
彼女の後姿からは顎に手をあて、何かを考えている様が見て取れた。
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