56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/20(木) 20:20:05.64 ID:qnuFZ/Vl0
「よくきたのう、待っとったぞ。」
ゆったりとした広めのシングル。その中は壁際のランプにぼんやりと照らされていた。
「聞いておきたい。巴は封筒の中身を知っていたのか?」
部屋の奥へと進む小さな背中に問いかける。
「さて、どうじゃろうな。その件についてはゆっくりと話そうじゃないか。コーヒーと紅茶、好きなほうを選べ。そのくらいは振舞えるけえ」
巴はちらりと振り向くと、余裕のある口調でにやりと笑って見せた。
足取りはそのままに。
「よく言うな。こんな部屋に呼んでおいて」
ベッドの横には男が二人立っている。
黒いスーツに、短く調えられた黒々とした髪。
身長は俺と然程変わらないのだが、体つきはまるで違う。
スーツ越しの輪郭からでも、この二人には敵わないと即断できる。
「なんじゃ?二人きりのほうが良かったか?」
スーツの男の鋭い視線が俺に突き刺さる。
「ああ、二人で会いたかったよ。あと、コーヒーで頼むガムシロは一つでいい」
巴は短く返事をすると、コーヒーカップを二つ手にとった。
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