90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/20(土) 08:42:59.56 ID:JpAruBLR0
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しくじっちゃったヨ、頭か胸を打ち抜けばそれだけでよかっタのニ……。
生暖かな街の夜風は少しのぬめりを帯びているようだった。
路地裏から通りを覗けば雑踏が目に映る。
空は晴れているはずなのに、星は見えない。
街明かりが塗りつぶしてしまっているのだ。
手に持った拳銃がずっしりと重く、引き金は固い。
銃を向けられたプロデューサーの顔が脳裏に浮かぶ。
始めは背後から、気が付かれる前に引き金を引くつもりだった。
行動と労力は最小限に、且つ結果は最大限に。
それだけでよかったはずだった。
それなのニ、なんで待ってたんだろうネ?プロデューサーがこっちに気が付くのヲ……。
ナターリアの白いワンピースが夜風に揺らいだ。
次で決めなくちゃイケナイネ。
ナターリアは脇に抱えた鞄から携帯を取り出すと、手馴れた手つきで電話を掛けた。
これまでに何度も何度も掛けてきた番号。指先がしっかりと覚えている。
プロデューサー、出てくれルかナ?
彼女の耳元では携帯のコール音だけが響いていた。
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