過去ログ - 恵美「もし私が日本に馴染めなかったら」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/15(土) 22:55:30.00 ID:aEntuCFko
真奥(……)

真奥「ちー……ちゃん」

真奥「ごめん、約束……守れなくて……ソフト、クリーム……」

聞き取り難い大きさの独り言を呟いていた魔王の首を、聖剣が叩き落とした。
悪魔の遺言など、恵美には呪いの言葉にしか思えなかった。

恵美「……終わっ、た」

大きく息をついた。
少々危ない橋を渡ることになったが、結果として多少の傷で魔王軍最後の二人を葬り去ることができた。
先ほどの店員が命令を実行したのであろう、遠くからサイレンの音が聞こえてくるが、気にすることはない。
間もなくオルバが来てゲートを開いてくれるはずだ。

恵美「終わったよ、お父さん……」

天国の父に報告する。
魔王を倒したら必ずそうすると決めていた。

だのに、何故だろう。
そのときは間違いなく、これ以上ない幸福な気分で報告できると思ったのだ。
だが今の自分はそれを感じていない。
魔王の返り血で汚れた自分の姿が窓ガラスに映る。
その姿は、まるで心の中を写したようで――

そのとき、恵美の胸を魔力弾が貫いた。
こぶし大の大穴が空いた自分の胸を人ごとのように見つめていると、視界がぐるりと回る。
倒れたのだ。
最期まで、恵美には何が起きたのか分からなかった。


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