過去ログ - 恵美「もし私が日本に馴染めなかったら」
1- 20
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/15(土) 22:45:38.25 ID:aEntuCFko
時刻は深夜。
仕事が終わりマグロナルドを出て自転車で走る魔王の背後を追う恵美の姿があった。
魔王はゆっくり走っており、また信じられないことに信号を順守しているため、
小走りで後をつけることは難しくはなかった。

恵美(……大丈夫、気づかれないはず。術さえ使わなければ、相当近づくか意識しないと聖法気は察知されない)

魔王の処遇について、恵美は決めかねていた。
この場で襲いかかるという手もあった。
先ほど感じた魔力で測る限り、推測通り魔王は弱体化しており、魔力は回復されていない。
聖剣を持ってすれば一撃で葬れるだろう。
もしくは鞄に忍ばせている百均のナイフでも殺せるかもしれない。

恵美(けど、奴が力を隠している可能性もある)

弱体化と力の回復ができないことは恵美も同じだった。
下手に交戦して倒しきれなければ恵美が負ける可能性も高い。
魔王がこの街にいた以上、アルシエルもいるはずなのだ。

恵美(魔王は今、どこか……おそらく拠点に向かっている)

恵美(ひとまずその場所とアルシエルの所在を確かめるのが先決か……)

尾行していたのは十分足らずだっただろうか。
魔王がアパートの前で自転車を停めた。

恵美(……まさか、こんなところに魔王が?)

そのアパートはひどく古ぼけており、魔王どころか一般庶民でも住みたがる者はいまい。
困惑しながらも、恵美はブロック塀に隠れて魔王の様子を覗う。
魔王は錆びついた階段をギシギシと音を立てて登りながら二階に上がっていった。

あの階段を登れば気づかれるか、と恵美が歯噛みする。
仕方なくその場で聞き耳を立てると、魔王の声が聞こえた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
32Res/34.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice