過去ログ - 岡部「離合集散のアンフィビアン」
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11: ◆gzM5cp9IaQ[saga sage]
2013/06/16(日) 17:18:50.53 ID:AS9AYY6f0

少年A「あ、俺トイレ」

倫太郎「分かった」

トイレか……俺も行っておこう。
だが少し遅れていく。
用は一人で足したい。
席を立ったそいつの背中を見送り、ざわついた教室の中でまた無になろうとする。



入口の前まで来ると話し声が聞こえた。
また誰かトイレでたむろっているのか。
苦手なんだがな、そういう中で用をたすのは。

少年A「問3の選択、B!! と見せかけてCなんだなこれが」

少年B「は? いやいや、それはないって」

少年A「ところがどっこい、教科書通りと見せかけた引っ掛けなのよ、あれが」

少年B「まじかよ、俺ミスったわ……」

少年C「つかそれ岡部の受け売りだろ、さっき聞いてたぞ、俺も」

少年A「げっ……聞いてたのかよ」

少年B「また岡部か」

少年C「というかあいつ、いつ勉強してんだ? あいつがまじめに授業聞いてるとこ見たことないんだけど」

少年A「だよな、それ俺も思ってた」

少年B「カンニングでもしてんじゃね、さすがにおかしいと思ってたし」

少年A「いや、教師に賄賂だろ!」

少年C「無くはないよな。ずっと1位はな……」

少年B「それで調子乗ってるとしたら痛すぎだろ」

少年C「たまに予言じみたこと言ってたよな」

少年B「そうそう、あいつの口癖、”なんか見覚えがある”だったからな、痛すぎ」

少年A「いてーいてー! はははっ」

倫太郎「…………」

分かっている。
こういうものだということは分かっている。
皆、表の顔と裏の顔を使い分けて生きていくんだ。
だから大した衝突もなく平和に生きていけるんだ。
だから自分を壊さず生きていけるんだ。

でも今の俺には仮面なんて被れない。
上手く被ることができない。

──“被る理由がない“



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