過去ログ - 岡部「離合集散のアンフィビアン」
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64: ◆gzM5cp9IaQ[saga sage]
2013/06/16(日) 18:55:48.90 ID:AS9AYY6f0



その日、俺は天王寺裕吾の裏の顔を知ることになった。


 ラウンダー
 SERN
 FB


父親のように慕っていた人物の意外な一面。
しかし、それを受け入れるのに時間は要らなかった。
まるで最初から知っていたかのように。

気づけば空は闇に染まり、深い黒が広がっている。
覗き込めば吸い込まれそうなほどの深淵。

誰かが言った。
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ、と。

ひとりビルの屋上でその空を眺め続けていた。
どこからともなく、白く輝く一輪の花が舞い落ちてくる。
まるで闇に飲み込まれていった者が流した雫のように。

こうして俺は、ラウンダー”地を這う者”としてこの身を堕とした。
身を裂くような寒さの中、しんしんと雪の降るの日のことだった。



Chapter 2 『焦躁のサクリファイス』END



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