過去ログ - 岡部「離合集散のアンフィビアン」
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9: ◆gzM5cp9IaQ[saga sage]
2013/06/16(日) 17:16:17.12 ID:AS9AYY6f0



無事に退院して数年が過ぎた。
町は徐々に復興し始めていたが、2000年クラッシュは俺たちの生活を大きく変えた。
町を歩くとどこか暗い顔している大人たち。
薄暗く活気の少ない町。
思い描いていた未来とは全く違っていた。

そんな中でも大人たちとは違い、子供たちはある程度適応していた。

ざわざわと騒がしい教室内。
その日の夜には、どれも忘れられているような話ばかり飛び交っている。
昨日見たテレビの内容。
くだらない世間話。

中学に上がってもそれはさほど変わらない。
ただ、その中でも輪に馴染めない奴はそれなりにいた。
両親や友人を亡くした奴はそういう傾向にあったが、御多分にもれず俺もそうだった。

最初は俺も馴染もうとした。
が、ダメだった。
周りの奴らみんなガキに思えたし、下世話な話に付き合う気にもなれなかった。

俺だって、そういった感情を露骨に出していったわけではなかったが、隠しきれなかったのか、はたまた感じ取られていたのか。

みんな俺から離れていった。

俺の境遇からか、むき出しの敵意を向けられることはなかった。
ある一定の距離を置かれるだけで済んだ。
俺も距離を置いた。
表面上は理解のあるクラスメート。
裏ではただの他人。

言わずともそんな関係が保たれていた。


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