過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」
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370: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:33:15.03 ID:rXE7FPtg0
 
――――――――――
 
ひとつ、またひとつ。
意識の届くいっぱいにまで広げた感知野からこぼれ落ちていく存在を認識し、
岡崎泰葉は断末魔の思惟が脳を圧迫する感覚にいら立った。

湧き上がった怒りのままに、脇のパイプベッドの支柱に拳を打ちつける。
16歳の少女の細腕からは想像もつかない膂力が発揮され、彼女の手首ほどの太さの鉄柱が
ぐしゃぐしゃにひしゃげて曲がった。

まただ。また、自分の眷属のカースが消滅した。
正義の味方づらをした連中が、自分の邪魔をする。
この胸に渦巻く怒りを晴らすのを妨げる。ムカつく。腹立たしい。イライラする。

沸き立つ怒りを抑えて深呼吸しながら、泰葉は思考する。
思うに、今回はカースを一箇所に集中させすぎた。次は戦力を分散配置してみようか。

「……これからは、もっと考えて戦わせないと……」

ぽつりと呟き、泰葉は隠れ家のひとつを後にした。

後に残ったのは、真っ二つに砕かれたテーブル、四肢をちぎられたテディベア、穴だらけの壁、
液晶の割れたテレビ、ぐしゃぐしゃに曲がりくねったベッド。

『憤怒』のカースドヒューマンの暴威が行き過ぎた後に残るのは、およそこのようなものである。


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