103: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:44:37.07 ID:65Vj5y3Zo
「今にして思えば、あれはあの子の一種の防衛本能だったのでしょうね。何者か───おそらく天井が最終信号の頭に不正なプログラムを上書きした。それを防ごうとした行為が、研究所からの逃亡。おそらくあの子自身は自分が何故研究所から離れる事になったのか、その理由に気づいていないのでしょうけれど」
「……そして俺に会いにきたと。ただまァ、アイツ自身は研究員とコンタクトが取りたいと思ってたよォだが」
104: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:45:19.01 ID:65Vj5y3Zo
「ウィルス起動までのカウントダウンは掴めている。九月一日午前00時00分00秒。定刻と共ウィルス起動準備に入り、以後一◯分で起動完了。ミサカネットワークを介し現存する全妹達へ感染、そして暴走を開始。そうなったらもう誰にも止められないわ。キミほどではないけれど、鋼鉄破りすら軽々と操るあの子達が一万も集まれば相当の戦力になってしまう」
「……、オイ。それって」
105: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:45:58.20 ID:65Vj5y3Zo
俺にはやっぱり難しい話なんてさっぱりだけど、これだけは分かる。
リミットまではあと十時間もない。
その時間の中でワクチンプログラムを作って打ち止めに注入する。しかも彼女を見つけることもしなくてはならない。
106: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:46:57.98 ID:65Vj5y3Zo
「誰にモノ言ってっか分かってンのかオマエ。俺ァアイツらを一万人ほどぶっ殺した張本人だぜ? そんな悪人に誰を救えって? 殺す事ァできても救う事なンかできねェよ」
「おい、それは……」
107: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:47:29.54 ID:65Vj5y3Zo
「わたしにはあの子を捕まえることはできない。『研究員を見たら無意識に逃げる』というあの子の特性は、わたし達の体から放出される微弱な電磁場のパターンに強く依存している。たとえあの子の視界に入らなくても電磁場を検知して逃げてしまうのね。逆に言えばそこさえクリアすればわたしにもあの子に接近するチャンスが生まれてくるのだけど……ウィルスコードを解析する片手間で追撃できるとも思えないもの。だけど、キミ達がいるなら話も変わる。三人で手を組めば何とか道は開けるかもしれないの」
「……、クソったれが」
108: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:48:06.85 ID:65Vj5y3Zo
「……よく分かってンじゃねェか。まァ、そォだよなァ。どっちを取りゃイイかなンざ誰でも分かンじゃねェか」
「おい、一方通行!」
109: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:48:33.41 ID:65Vj5y3Zo
「一方通行」
「……オイ、上条に芳川。笑えよ。どォやら俺は、この期に及ンでまだ救いが欲しいみてェだぜ」
110: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:50:52.71 ID:65Vj5y3Zo
「……」
なるほどね、全部俺の勘違いだったって訳か。
111: ◆index//3x.[sage]
2013/07/29(月) 11:51:22.71 ID:65Vj5y3Zo
ドアを開けて、家を出る。
112: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:52:05.10 ID:65Vj5y3Zo
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113: ◆index//3x.[ saga]
2013/07/29(月) 11:52:37.50 ID:65Vj5y3Zo
アイツは基本的に他人を巻き込みたくないタイプなんだろう。
するとさっきの電話での情報はダミーかもしれない訳で。
本当は違う場所である可能性もあるということだ。
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