173: ◆index//3x.[ saga]
2013/09/03(火) 23:42:14.31 ID:NAgQdONgo
「なら私はあなたを止めなくちゃならない」
「何故だ?」
「まず一つ。私の役目はこの頭の中にある禁書を守ること。それを果たさなければならない」
「ふむ」
「そしてもう一つ。あなたが一般人とは違う特別な魔術師であっても。それでも三十冊だって耐えられない。それなら私はそれを止めなくちゃならない」
「……なるほど。禁書目録というには随分と優しいものだな。君の様子を見る限りではどうも後者が本音のように見える」
「……だったら何? どんな理由であれ私はそれを止めるだけだよ」
「しかし今君はどういう状況にあるのか分かっているか?」
「もちろん。私では残念だけど何もできない」
「……」
「……でも。こうやって時間を稼ぐことならできる」
「何……?」
「聞かせてよ、あなたの理由を」
「……話す必要もないな」
カチャリ、と何かを構える音が聞こえた。
音だけでは何とも言えないが、おそらくあれが"梓弓"なんだろう。
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