過去ログ - ヒイロ「インフィニット・ストラトス」
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47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/29(土) 21:14:03.72 ID:HSG4gbG3O
明朝5時に公園を歩く子供がいた。
ヒイロは依頼を終えて帰宅途中だ。
そう言えば、今日はISの大会初日だったな、なんて思いながら歩いていた。
織斑千冬と一夏との出会い。
あの後、サッサと帰りたかったが一夏が
「やる事ないなら一緒に街を見て回ろう!」
なんて言われ、断ろうとしたら千冬から「私も同行するぞ。それよりも、ご飯はどうした?」
なんて言われた。
結局ヒイロは夕方まで一緒に居たのだ。

そして一夏と一緒にいると、何故だか昔を思い出す。
あの女の子もよく笑顔で接してくれた。
そして、穢れを知らない無垢な笑顔は時々ヒイロを締め付ける。
自分は、一緒に居てはいけない。
頭の中で呟き、決して口に出さないようにしていた。
そんな事を思い出しながら歩いていたら不意に声をかけられる。

「朝早くから散歩か?」
「織斑千冬か…」

ヒイロの後ろに千冬がいた。
しかしヒイロは振り向かない。
気付いていたのだ。
だから振り向かないし構えもしない。
「やはり貴様は只者ではないな。その歳で一体どんな経験をしてきたんだ?」
「出会いと別れを経験した」
ヒイロにとってホワイトファングの記憶より、女の子と母親と一緒に過ごした記憶が大切だった。
故に感情は消える事はないが、その変わり、笑う事ができなくなった。
千冬は腕組みをし、何かを考えながら口走った。
「…昨日のお前は何か、苦しそうだったぞ。何がそんなに辛い?」
顔に出さないようにしていた筈だ。
何故分かったのだろうか。
「何も言わなくても、顔に出さなくても分かる。お前が一夏といる時、たまに辛そうな雰囲気がしたのだ。一夏が何かしたのか?」
一夏は何もしていない。
むしろヒイロがやった側だ。
今まであのような存在を殺して生きてきたヒイロにとっては、表の人間は眩しいのだ。
「……何を考えている?少しは話せ。私はな、苦しんでいる奴がいれば、ほっとけない質なんだ」
少し困ったような表情で千冬は言う。
「……」
ヒイロは千冬をお人好し、お節介、お世話好きと思った。
昨日の一夏もそうだ。
何かとお世話をやいていた。
何故こんなに、人を信じれるのか分からない。
ゆっくりと、ヒイロは口を動かした。



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