過去ログ - 京太郎「あの人が言っていた」
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2: ◆EEGknAt6l2[sage]
2013/06/20(木) 09:34:26.63 ID:itHBx/rX0
 辺り一面に広がる炎と瓦礫の海。

 生の気配はない。

 そこに一人の男が佇む。


「パーフェクトゼクターは砕け、カブトゼクターも失ったか。残るはこのベルトのみというわけだ」


 そう一人ごちる男だが声音は至って冷静。むしろ奇妙な自信さえにじみ出ていた。


「ん? あれは……」


 男が目を向けた先には炎に照らされた金色があった。

 その今にも押し潰されそうな光に歩み寄る。

 まだ十にも満たない少年が瓦礫に挟まれて身動きを封じられていた。

 熱にやられたのか、少年は虚ろな目のまま声を出さずに男へ手を伸ばす。


「待ってろ、今助ける」


 何の気負いもなくそう言うと、男は瓦礫を軽々と押しのけ少年を救い出した。

 大きく衰弱しているが命に別状はない。


「お前の名前は?」

「―――――」


 意識の確認のために投げかけた問いに音のない声が返される。


「すが、きょうたろうというのか」


 耳には聞こえないはずの言葉だったが、男にはしっかりと届いていた。

 安否確認が終わったところで、早々にこの場から離れなければならない。

 男は少年の体を抱えると何処かへ向けて歩きだす。


「ああそうだ。言い忘れていたが、俺の名前は――」


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