過去ログ - フィアンマ「病室を、間違えていないか」ヴェント「ッ、」
1- 20
28: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/20(木) 22:39:31.70 ID:51Km9zTj0

「……何だこれは」

ずっしりと積まれた書類に、フィアンマは眉をひそめた。
左方のテッラは少々面倒そうに、申し訳なさそうに言う。

「いえ、ローマ正教信者の、罪を犯した者の"書類処理"をしていたらこうなりましてねー」

つまり、情報捏造だ。
左方のテッラは異教徒を家畜扱いする典型的なローマ正教徒なのだが、反対に同胞には甘い。
優しいのではなく、とかく甘く、情けをかけるのだ。
なので、犯罪者といえど同胞を庇ってやりたい、という思いから、余計なことをしたのだろう。
フィアンマは書類を紙袋へと押し込む。

「……届けてくる」

ローマ正教のピラミッド構造内に存在しない暗部にして、ローマ教皇の相談役。

『神の右席』。

その中でも、右方のフィアンマは座位が『右方』だけあって地位が最も高い。
それ故に管理者的な側面が強く、常に退屈しているのだ。
結果として、このように事務処理などに追われる事で暇を潰している。
良い暇つぶしの材料だ、とフィアンマは書類を手に外へ出る。
しばらく降り続いていた雨。
今日はそれまでと打って変わって、快晴だった。



書庫の掃除を任された。
新入りというのは、どこでも掃除役が基本だ。
土地面積が広いだけあって、取り揃えられている書物も多い。

「…ん?」

吸い寄せられるように。
視線の先が、ピタリと固定された。
目を逸らしたい思いと、読んでみたい思いが拮抗する。

「……、…」

少し位ならバレないはずだ。
そっと手に取り、開いてみる。
難解な文字の数々が並んでいた。
読んでいる内に頭が痛くなってくる。
座り込みながら、それでも私は読むのをやめはしなかった。
吐き気が催し、それでも文字列を辿るのをやめられない。

『神の火』。
『天罰』。
『原罪』。

聖書で読んだ単語が並んでいた。
ただ、解釈のような図解などが描かれていて。
直接脳へぶち込まれるように、知識が私の中に蓄積されていく。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
334Res/165.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice