過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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142: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/07/01(月) 18:21:21.33 ID:qgaBVxe20

 換声点では、のどの使い方が変わる。
 つまりは、意識してのどを使わないと簡単に声がひっくり返る。
 そして、サビはこの換声点付近のラインで作られている。

 これを挑戦状といわずして、なんと言えばいいのか。

ベテ「訓練されていない人が換声点のあたりを酷使すると、のどの負担が大きいです」

ベテ「あんまりひどくなると、声がれや、最悪ポリープができてしまいます」

ベテ「そこをわかっていて、こういう曲を用意してるんですから。まあ……」

楓「ええ、そうですね」

 私もつられて苦笑する。

楓「みっちり練習しやがれ。そういうことですね?」

ベテ「……そういうことです」

 わかりました。ええ、わかったとも。
 その挑戦、受けて立とうではないか。
 どのみち、私に退路なんかない。迷わず進むだけ。

 あの人が示した道だ。歩けるはずだ。
 いや。
 歩くのだ。あの人と。

 こうして、レコーディングに向け必死のトレーニングに明け暮れる日々が始まった。

   ココロ風に 閉ざされてく
   数えきれない涙と 言えない言葉抱きしめ
   揺れる想い 惑わされて
   君を探している ただ君に会いたい only you

 上行。下行。
 音が跳ね回る。

 くそ。負けるか。

   満ちて欠ける 想いは今
   苦しくて溢れ出すの 立ち尽くす風の中で
   会いたい今 会える日まで
   ずっと想い続けるの 誰にも負けないほど
   君のそばにいたい ずっと

 あの人との日々を思い返す。
 いつだって、私の先を見て私の道を示してくれた。
 うれしいけど、悔しい。
 絶対、隣に立ってやるんだ。

 勝ち戦しかしないのだ。負けるなんて。
 ありえない。


     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


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