過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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35: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/06/24(月) 12:29:03.12 ID:fr1hr5V90
ミーティングという雑談に一息ついたところで、あの人が切り出す。
P「そういえば、大将の店にはもう来ないんですか?」
楓「ああ。あの時はたまたまで」
P「一見さんだったんですか」
楓「いろいろなお店を開拓するのが好きなので」
P「大将さびしがってましたよ? 『この前の美人さん、はよつれて来い』って」
楓「いやいやいや。美人とか恐れ多いです……」
P「僕も楽しかったですし。仕事抜きにお会いしたかったんですよ」
楓「あ」
急に気恥ずかしくなる。
楓「なんか……恥ずかしいです……」
P「あ。……なんか僕こそすいません。これじゃ口説いてるみたいだ……」
気まずい空気が流れる。
P「で、ですね。よかったら場所を変えて」
楓「は、はあ……」
P「大将のとこ、行きませんか? ちょっとした歓迎会です」
楓「そ、それなら。はい。よろしければ……」
P「ああ、よかった」
あの人はひどく安心したようなため息を吐き、そして微笑む。
あ。
あの時の笑顔だ。
その笑顔を見て、私はほのかに暖かくなる何かを感じた。
もっとその笑顔を見たい。
今ならそう言えるだろう。
でも、その時はこれで十分だった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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