過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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353: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/07/23(火) 17:50:47.22 ID:n8HI+vGo0

楓「さて、と」

 奈緒ちゃんと分かれてすぐ。
 私はあの人に連絡をとる。

P「はい。CGプロのPでございます」

楓「あ、Pさん。楓です」

P「ああ、楓さん。どうしました?」

楓「えっと、今どちらです?」

P「ああ。あいさつ周りが終わったとこです。年末ですしね」

P「もっとも、年末年始とか関係ない業界ですけど」

 あの人は笑う。

楓「あの、今日よかったら」

P「はい」

楓「お時間取れませんか?」

楓「大事なお話が、あるので」

P「え、ええ。大丈夫ですよ?」

 あの人がよく理解しないまま、約束をとりつける。
 奈緒ちゃんや凛ちゃんの顔が浮かぶ。
 そうだ。きちんとしないと。

 今年ももうあと数時間。開いているお店はあまりに少ないので。
 私は再び、あの人の部屋に来ていた。

楓「無理言ってごめんなさい」

P「いえ、いいですよ。楓さんには知られている場所ですし」

P「で。大事な話って、なんです?」

楓「あの……私たちのお付き合いのこと」

楓「奈緒ちゃんに、打ち明けちゃいました……」

 微妙な顔をしたあの人に、昨日からのいきさつを話す。
 ゆっくり、理解してもらえるように。

 こういう恋愛ごとは、たぶん、男と女で考え方が違うものかも知れない。
 だから、その隙間を埋めるように、ゆっくり。
 隠し事はしないと、ふたりで決めたのだから。

 話を進めていくたびに、あの人の顔がくもる。
 そうだろう。自分で意識しないうちに、自分のアイドルに恋慕を浮かばせてしまったのだから。
 しかも、凛ちゃんだけでなく、奈緒ちゃんまでも。

P「そうですか」

 そう一言こぼして、あの人は黙ってしまう。

楓「あの。Pさんのせいじゃないです、よ?」

楓「私だって」

楓「Pさんが振り向いてくれなかったら、たぶん、諦めてました」

楓「Pさんは、私を見出してくれた恩人ですし」

楓「一時の想いで、困らせることはしたくないですから」



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