過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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792: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/10/29(火) 17:51:49.25 ID:fvAZ1fnq0

 私、本当のことを言ってしまいたいって、今も思ってる。
 でも、我慢してる。誰も得しないから。マネージャーや奈緒にも止められてるし。
 嵐が過ぎればいいって、それだけ思ってた。

 悪意のあるファンレターは、私のところにも来てるだろうことはわかってる。
 事務所のみんなが押さえてくれてるだろうって。
 でもあの手紙を見たら、なにか抑えきれなくなって。勢いでここまで来ちゃったけど、結局やれることなんかなくて。
 私は、なにができるだろうっていうの、思い出した。

凛「私は、楓さんに安心して引退してほしいんだ」

 楓さんのツアーにゲストで出てから、なにか心に引っかかってたの。
 そして楓さんから引退の言葉を聞いて、なにかが宙ぶらりんになった感じがして。
 それってなんだろう? って。

 やっと気づいたんだ。私は、認められたいんだって。
 楓さんにも、Pさんにも。
 だから、奈緒にも加蓮にも話をした。ソロをやりたいって。
 自分が大きくなって、楓さんに『渋谷凛にはかなわない』『これで安心して引退できる』って思ってもらえるくらい。
 がんばろう、って。

凛「楓さんは大事な人で、いちばんのライバル。負けたくないし、喜ばれたい」

凛「だから、汚い言葉かもしれないけど、『引導』なんだ」

楓「……」

凛「高垣楓という存在が埋もれてしまうくらい、自分を高めたい」

凛「だから、負けません」

 なんということだろう。
 凛ちゃんは、私のはるか先を見つめ、そこへ進もうとしている。私などでは太刀打ちできないくらいに。
 この時点でもはや、かなわないと思っている自分を押し殺す。
 今言うべき言葉じゃない。凛ちゃんに失礼だ。

 彼女の射るような瞳に、私の心が触れる。
 私もプロなのだ。最後は華々しくあれ、と。

凛「楓さん。挑発するようなことを言ってごめんなさい。でも」

凛「今言わなきゃ、楓さんがいなくなってしまう気がして……」

楓「……うん」



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