過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
↓ 1- 覧 板 20
803: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/11/02(土) 17:42:17.60 ID:mkYWp9AD0
凛「うん、どうして? なにもやましいことなんかないんだし」
凛ちゃんは純粋に疑問をぶつける。
私は正直、多少のやましさは感じるけど、でも発表できないというのもさびしい。
社長「まあぶっちゃけ言うとですね。高垣さん叩きが増えるだろう、と」
社長「それでは、事務所にとってマイナスしかありませんからねえ」
P「あちらさんの一連の行為で、女性ファン層の楓さんのイメージが、悪化してるのは確かです」
P「『恋多き女』と言われる危険が、非常に高い、と」
あの人はとても悔しそうに言った。
凛「なんで! あっちが勝手に嘘ついてこっちが迷惑被ったんじゃない!」
凛「ひどいよ、あんまりだよ。事務所が楓さん守れないでどうするの……」
凛ちゃんの言葉に、あの人の顔がゆがむ。
P「いや、凛の言うとおりだ。ほんとに申し訳ない」
あの人が深々と首を垂れる。
凛ちゃんのやり場のない苛立ちに、社長が割って入る。
社長「渋谷さん。気持ちはわかります。でも」
社長「あちらの事務所と全面対立しても、うちの事務所のほうが分が悪い」
社長「しがらみが多いとこなんですよ。許してください」
社長にそう言われ、凛ちゃんは悔しさをかみ殺す。
それが業界。掟に反しないすれすれなら、セーフなのだ。
社長「でも映画が派手にこけてくれましたし、少しは溜飲を下げてもらえると、私は嬉しいですね」
あちらもかなりの製作費と宣伝費をつぎ込んだ映画は、結局封切り週以外は動員もさんざんだったらしい。
しばらくはおとなしくしてるだろう、と。
P「ただ、ファンのイメージはまだ残ってますから」
P「楓さんにヘイトが集まることは、極力避けないとならないんです」
誰も納得などしていない。でもそういうものだから。
自分たちの気持ちを押し殺し、次善策で乗り切るしかない。
社長「ただ私個人もとても悔しいものですし、それなら大きな花火を上げようじゃないか、と」
社長「そして渋谷さんは、ソロとして大成したいと考えている」
社長「ですから、私はこのデュオツアーにゴーサインを出したんです」
あの人がうなずく。
P「見返してやりましょう? いろいろなしがらみに」
社長「このツアーは、事務所の今年のメインでやります。総力戦です」
社長「渋谷さんを不動のトップに、高垣さんを伝説に」
社長はにやりと笑う。
社長「当然、やっていただけますね?」
言葉はいらない。
私と凛ちゃんは、社長の一言にうなずいた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
1002Res/629.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。