過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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855: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/11/25(月) 11:25:55.44 ID:xaumuAlp0

 強烈なビートに、マストレさんの高速ステップが駆け巡る。
 ついていくのも苦しい。

楓「はあ……はあ……」

 ステップの反響音と息遣い。

マス「ラスト! 遅れるな!」

 今回はなんとか転ばずに済んだ。終わったとたんへたり込む私。

凛「おつかれさま」

 凛ちゃんがドリンクを持ってきてくれた。

マス「よし、おつかれ。明日に響かないように、ストレッチは念入りにするようにな」

楓「ありが……とう……ございます」

 床に這いつくばったままの私は、なんとかあいさつだけはこなした。

凛「楓さん、大丈夫?」

楓「ん。大丈夫、だけど……体力ないなあ、私」

凛「こんなの、私だって続けられないよ」

楓「でも、なんかね」

凛「待った」

 凛ちゃんが言葉をさえぎる。

凛「でももだってもいらない。楓さんがそうしたいんだろうから」

凛「さ、ストレッチ手伝うよ。休んだら始めようか」

 この数ヶ月で、私と彼女の関係もだいぶ近しくなった気がする。
 凛ちゃんは、私にもタメ口で話してくれる。
 だからこそ、あせる。

 私には、凛ちゃんのようなパフォーマンスを見せられない。魅せられないと言うべきか。
 でも『Bleuet Bleu』は、ヴォーカル『パフォーマンス』ユニットなのだ。
 高い次元のステージを期待されていることは、わかる。

 今からがんばったところで、付け焼き刃なのは想像に難くない。
 でも、そこに妥協するのはイヤなのだ。



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