2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:49:12.21 ID:TEohM5/1o
勇者(ぼくは、死んだはずだった)
勇者(大好きなあの人の腕の中で、命を落としたはずだった)
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:49:52.18 ID:TEohM5/1o
勇者(剣士君の姿も変わり果てていた)
勇者(面影は残っているけれど、二十歳を越えているくらいの大人の姿)
勇者(髪も長くなっていて、頭には二本の角、額には宝石のようなものがある)
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:51:51.83 ID:TEohM5/1o
魔王「勇者……こちらに来い」
メイド人形「ハイ、魔王サマ」カタカタ
魔王「お前はこの世界をどう思う?」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:53:04.23 ID:TEohM5/1o
勇者(魔王を倒したって、この世界が永遠に平和になるわけじゃない)
勇者(でも、少しの間は平和になるはずだった)
勇者(魔王がいなくなれば、復活するまでの間魔族は激しく弱体化する)
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:53:40.57 ID:TEohM5/1o
勇者(皆がぼく一人に使命を負わせたのは、それだけ期待してくれていたっていうこと)
勇者(それが嬉しかった)
勇者(けど、剣士君はそのことをすごく怒っていたから)
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:56:03.10 ID:TEohM5/1o
勇者(第一、お父さんの言う通りに剣士君と一緒に逃げようとしたところで)
勇者(一体どこに逃げる場所があったのかな)
勇者(世界を救うと誓った勇者が使命を投げ出すことは何よりも重い罪)
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 18:59:00.26 ID:TEohM5/1o
魔王「軍を各地に配置しろ」
魔王「くれぐれも殺しすぎるな。我々の目的は虐殺ではない」
魔王「人間共の意識改革だ」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 19:01:26.76 ID:TEohM5/1o
勇者(ぼくの故郷は滅んでしまった)
勇者(その時、お母さんも一緒に死んじゃったのかな)
勇者(もう会えないことがすごく悲しいはずなのに)
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 19:04:56.38 ID:TEohM5/1o
勇者(体が心に馴染んできたのか、いつのまにか温度も感じるようになっていた)
勇者(物の触り心地だってわかるようになったし、世界がちょっとずつ鮮明になっている)
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 19:06:16.42 ID:TEohM5/1o
メイド人形「エネルギー ヲ 消費シマシタ」
メイド人形「休眠モード 二 入リマス」
魔王「……勇者」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/21(金) 19:07:01.16 ID:TEohM5/1o
魔王(……私は、魔物に力を与えるのは人間の怠惰ではないかと気づきかけていた)
魔王(もっと早く確信して……否、確信がなくとも)
魔王(お前に胸の内を全て晒してさえいれば……)
83Res/36.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。