過去ログ - 【ガルパン】みほ「僕の名は西住小次郎。」
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45: ◆MBDL96yQmCZm[saga]
2013/08/23(金) 01:43:32.63 ID:YF/y6Otq0




みほが心の中で葛藤をしているその間も、生徒会と沙織達との口論は続いていた。
何が何でも、みほに戦車道をやらせようとする生徒会と、それに頑なに反対する沙織達との間で、話は未だに平行線状態のままである。



その時、会長の杏がおもむろに口を開いた。

「そんなこと言っちゃっていいのかな。」

杏はニヤリと口元を歪め、笑みを浮かべる。
いかにも悪巧みをしていそうな、そんな表情だった。

「そんなこと言ってると、あんたらこの学校に居られなくしちゃうよ。」

「なっ・・・・!!!」

彼女の口から出てきたのは露骨な恫喝であった。その言葉には、みほが真っ先に反応した。

(そんな・・・・・・・僕が戦車道を選ばないばかりに・・・。このままでは二人が・・・)

みほは焦燥と危機感に駆られた。
たしかに、いくらこの学校の生徒会が強い権限を持っているからといって、正当な理由も無しに独断で生徒を退学処分にするなんてことは出来ない筈。
しかし、強制的には無理であっても、自主退学に追い込む手段なら幾らでもある。
陰湿な虐めや嫌がらせ等・・・そのような手を使ってくることは十分あり得る。

勿論、杏がみほ達を脅すために、ハッタリで言っているだけという可能性もある。
しかし、もし万が一、彼女が本気だったら、自分だけでなく華達にまで危害が及んでしまう。

危害が加えられるのが自分一人だけならば、まだ耐えられる。
しかし、自分を庇ったせいで、沙織達までもが平穏な学園生活を奪われてしまう。
そう思うと、胸が張り裂けそうになった。

(華さん、沙織さん・・・もうやめて。これ以上、僕を庇ったりなんかしたら二人までもが・・・・・・。そんな事になったら僕は・・・)


しかし、そんなみほの思いを他所に、華と沙織は怯む事無く、食い下がる。

「脅すなんて卑怯です。」

「そうよ! そんな脅迫なんてしたって無駄なんだから!」

それに対して、広報の桃も負けじと言い返す。

「これは脅しじゃない。言っておくが会長は本気だぞ。」

「そうよ。悪い事は言わないから、大人しく従った方が身のためだよ。ね、悪いようにはしないから。」

副会長の柚子までもが、やんわりと脅しをかけてきた。



だが、それでも沙織達は一歩たりとも引かなかった。
露骨な恫喝に屈することなく、毅然とした態度を崩さず、みほを庇う。
自らの身の危険も顧みずに・・・。

(お願い、もうやめて。)

このままでは、みほが想像した最悪の事態になりかねない。

(酷い目に遭うのなら、それは自分一人でいい。だから二人とも、もうやめて・・・。)

みほはただ、最悪の事態にならない事を祈るばかりだった。


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