過去ログ - ソ連尉官「自分達が」　国民党兵「魔王と戦う？」 -SS速報VIP

過去ログ - ソ連尉官「自分達が」　国民党兵「魔王と戦う？」

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101: ◆aRgoaeaPZM
2013/07/01(月) 19:35:13.48 ID:ZkB2wMizo
僕はいつの間にか寝ていたらしかった。

翌朝、寒さで目が覚める。
隣で寝ているドイツ兵を見て、気まずい今後を考えて気が重くなった。

そして昨夜言った悪口の中に、彼個人への悪口が含まれていなかった事を思い出した。

予想通りその後の旅路は気まずい物だった。
互いに口を利かずに黙々と歩いた。
でも、最初とは何かが違っていた。

草原を過ぎ、林を抜け、また草原…

「何か言った？」

「いや」

呻き声…あれは…野犬だ！
野犬の群れは遠巻きに僕たちを取り囲み、回りをぐるぐると包囲するように走り回る。

「固まれ！」

彼は自分のライフルに弾を装填し、僕にもそうするように促した。

「まだ弾があったの？」

「ああ」

「ならどうして僕を撃たなかったのさ」

「撃てなかったんだよ、畜生め！」

「さっさと弾を込めろ！」

彼も同じ考えだったのか。
こんな状況だったが、僕は少し嬉しくなった。

野犬が鳴く。

その声に現実に引き戻され、慌てて弾を込める。

「奴等を近づけさせるな…」

ドンッ！

彼が一発撃ち、一匹の犬が悲鳴を上げて倒れる。

僕も撃ち、また一匹が倒れる。

「冷静になれよ」

「分かってるって！」

銃声。倒れる。
銃声、鳴き声。

なおも沢山いる野犬の群れは、じりじりと距離を詰めていく。

銃声、倒れる。
銃声。鳴き声。
銃声…

装填、銃声…

彼は悪態をつき、諦めの表情で僕に言った。

「突破するぞ。お前は逃げろ。俺は残る」

「どうして！」

「お前じゃ銃を撃つのに手間取るだろうからな」

「行くぞ！」

彼は喚声も上げ、やたらめったらに銃を乱射し、野犬の少ない方に向かって突進した。

野犬はそれに怯んだのか散開し、僕たちはそこを通り抜けることが出来た。

僕たちが包囲を脱すると同時に犬たちは動揺からさめ、後ろを追いかけてくる。

「さあ行け！」

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