過去ログ - ソ連尉官「自分達が」　国民党兵「魔王と戦う？」 -SS速報VIP

過去ログ - ソ連尉官「自分達が」　国民党兵「魔王と戦う？」

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147: ◆aRgoaeaPZM[saga]
2013/07/15(月) 23:33:20.13 ID:PdbM1qBgo
ドワーフの隊列にいよいよ魔王軍達が近づいていた。

クロスボウの射撃は苛烈さを増し、石と魔法が飛び交い、焼き殺されたドワーフの臭いと圧殺された魔物の臭いが耐え難いほどだった。

一方、森の中を迂回している将軍たち。

「偵察騎！我が方はあとどれくらい生き残っている？」

「前面はほぼ全滅！逃げ出した魔物たちは後列の魔物たちに斬り殺されています」

「クソが…｣

「おっと、汚い言葉を使ってすまなかった」

将軍直属部隊はおよそ千。戦場で戦っている魔王軍の十分の一を占めている。

将軍は腕に布を巻いて識別しやすくするように命じる。

そして自らも下馬し、隊列に加わった。

その様子はドリフターズの偵察分隊たちも目撃していた。

「おっ！あれはいいな…迂回か」

「迂回は戦術の基本では？」

「今の価値観じゃそうだけどね、この文明程度の時代だと中々出来るものじゃなかったんだよ」

「まず兵士がどこにいるか把握して、兵士も自分がどこにいるか把握しなきゃならん」

「旗を出さずに隠密行動だからな…あの部隊はよく訓練されてるぞ」

「あんなに多くの兵士を纏め上げられるなんて中々優秀だな。あの指揮官を元帥とやらにすればいいのに」

主戦場ではすでに血まみれの戦いが始まっていた。
三千はいた魔王軍の先鋒は半分以上が打ち倒され、ドワーフに押される一方だった。

しかし中段はあまり兵士を失っておらず、トレバシェットで空に飛ばされる前に前線へと到着することが出来たのだ。

「俺達はあとどれくらい戦えるんだ！？」

血まみれのドワーフが聞く。

「前列は三百名です！」

ドワーフたちは二千の兵士を五つに分け、それを縦に並べて厚い戦列を構成していた。
最後列に位置するトレバシェットや投石機を守るためである。

ドワーフは技術者でありながら強固な戦士だった。斧を投てきして敵の突撃をそぎ、次に丸くて持ちやすい盾で敵をはね飛ばし、剣か片手斧で敵の頭をかち割った！

「ノルド神の為に！」

「サン・ジャコモ！」

自然に祈りを捧げ、鉱石や機械と対話し、そして戦場では血にまみれる。
有志以来のドワーフの伝統的な姿がそこにあった。

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