133:>>132ちょっと訂正 ◆.g97gKoujg[sage saga]
2014/06/16(月) 01:10:36.69 ID:J7A8yhom0
凉一は目を凝らし耳を澄まして前方の気配を探ると、何者かの足音が聞こえる。
次第に近付くそれは、ついに目の前に現れた。
夜の暗闇に溶け込むような烏羽の髪に黒いワンピース。対照的に映える白い肌。
――少女がいた。
凉一と同年代くらいの女の子だ。
何より異様なのはその左目を覆うように巻かれた包帯、それは彼女の剥き出しになっている左肩から指の先までにも巻かれていた。
「ベル……?」
凉一は思わず呟いた。
彼女がマリアヴェルではないのは明白なのだが、目の前の少女と似通った雰囲気がそうさせたのか……或いは包帯に隠されていない片方の瞳がマリアヴェルと同じ雪灰色だからなのだろうか?
「べる様はとても寂しがり屋なの」
「…………」
おもむろに語る少女の透き通るような声に凉一は聞き入った。
「べる様のそばに居てあげて」
「キミは……誰なんだ?」
ただマリアヴェルの事を気に掛けているような黒い少女に凉一は問う。すると彼女は少し思案するように俯いた後、僅かな笑みと共に答える。
「私は……貴方の『きょうだい』」
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