54: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/07/08(月) 00:34:42.65 ID:ct577/i/0
今度は少年が見守る側になった。彼は岩場に腰掛けてマリアヴェルに好奇の視線を投げ掛ける。
(くっ……どうしてこんな事に!?)
少年に興味を抱いた事にちょっと後悔しながらマリアヴェルは月に吠えた。
「かやーーーッ!!」
ーー茅。【彼女】の名を口に出したのはいつ以来だろう。マリアヴェルは、もう逢えない筈の者の名を呼んでいた。
そして、反射してきた自分の声を聴いたマリアヴェルの瞳から一筋の涙が零れる。
静寂が辺りを支配していた。
「その……ごめんね」
「……すっきりした。キミが言った通りだな」
解りきっていた結果。それでも【彼女】の声が聴けるかもしれないと期待してしまった自分が可笑しかった。涙を見てばつの悪そうな顔をしながら謝る少年にマリアヴェルは微笑んだ。
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