75: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/07/18(木) 23:05:26.37 ID:WTfkKdMR0
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恭兵は路地裏のアスファルトを眺めていた。腹への圧迫感から、うすぼんやりとした意識ながら自分がキリコに担がれながら移動している事に気付いた。
視線を横に向けると恭兵を担いでいるためタンクトップの隙間から、キリコの豊満な胸の一部がチラチラと見え隠れしている。
(横ちち……)
恭兵がそんな事を考えていると、次第に痛みだしてきた自分の右肩と共に先程の公園での記憶が蘇ってきた。
「キィリィコォ……てめえ! 俺を撃ちやがったな!?」
「げっ、起きた!?」
地獄の底から響く様な恭兵の怨唆を聞いたキリコは冷や汗を垂らした。
意識が覚醒した恭兵は『ほどけ』『下ろせ』と縛られたままの手足をバタつかせて暴れだす。
「落ち着けよ、恭兵……痛っぅ!? 女の顔を蹴るんじゃないよ……」
キリコは蹴られた顎を撫でながら恭兵をなだめる。
「うるせえ! このブスッ! ブースッ!!」
「ったく……ガキかよ。おーいて……」
恭兵の悪態を聞き流しながらキリコは忠告する。
「その芋虫みたいな情けない格好を誰かに見られたくなかったら静かにしてな」
見ようによっては『手足を縛った青年を拐かす怪しい女』の図ではあるが、女に良いようにされる大男というのは確かに情けない。恭兵は辛酸を舐める思いで口を閉じた。
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