81: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/07/21(日) 23:32:30.63 ID:mUvYFLfw0
「でもまあ……」
何か思う事があるようにキリコは続ける。
「あの状況で死ななかったのは、あんたに運があったという事さ」
「……運……だと?」
確かに恭兵は幸運に恵まれていた。もしマリアヴェルが茨木を止めなかったら、恭兵は頸をへし折られ絶命していただろう。
キリコが何を考えているのかは理解出来ないが、恭兵は運などという曖昧なものに自分の命を預けるつもりなどなかった。
「運はだいじヨ。どんなに死にたくないて神さまに祈ても運がわるいと簡単にしぬ。運がいいとしぬほど大ケガしてもしなないネ」
運転中のアムリタが会話に割って入ってきた。恭兵はこの少女の首から肩にかけて大きな傷痕があるのを思い出した。もしかしたらアムリタは自分の経験から話しているのかもしれない。
「そうそう『運良く』『生き残った』ってのが大事なんだよ。生きてりゃ何度でもやり直せるからね……その幸運も買っているんだ、これからも期待しているよ山上恭兵くん」
「……ちッ」
キリコとアムリタの励ましともフォローとも取れる言葉に恭兵は小さく舌打ちした。
141Res/100.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。