過去ログ - 恵美「ホームレス拾って洗ったら魔王だった」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/24(月) 23:34:56.40 ID:axQkyWQVo

私も女の身でありながら、本当に最初は何もわからないで公園で夜を過ごしたりした。
言葉は何とかなったものの、文字の習得にとても苦労して仕事にありつけず、
みじめな思いもした。悔しくて泣いて過ごした晩もあった。

恵美「ねぇ」

気が付いたら、私は座り込む彼に近づき、話かけていた。

「……」

反応はない。
コホン、と咳払いし、少し大きめの声を出す。

恵美「これから、台風だって。こんなとこいたら本当に風邪引いちゃうわよ?」

男「っ……?」

自分に話しかけられている事に気付いたのか男はゆっくりと顔を上げた。

恵美「……!」

その顔は予想以上に若かった。
いくら若そうな風貌とは言え、私と同じ程度の年齢だとは予想外だったのだ。

男「……ほっといてくれよ」

今にも消え入りそうな声色で、彼はそう言った。いや、なんとかそう聞こえた。
そして、また顔を伏せる。

恵美「帰るとこ、ないの?」

男「………」

私の問いに、彼は伏せたまま首を少しだけ沈ませる。
どうやら拝呈と受け取っていいんだろう…。が

ザァァァァァ!!

この瞬間、雨は一段と強くなる。
最早テナントの軒下の意味などなく、雨が思い切り入り込む。

このまま彼を放っておいたら、本当にどうなってしまうのか…。
私は意を決して生唾を飲み込んだ。

恵美「……今晩だけでもウチに来なさい。その様子じゃご飯も食べてないんでしょ?」


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