過去ログ - 愛「ママなんて、だいっきらい!!」
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:28:55.05 ID:tRJph1vFo
――あたし、
――ふられたんだ。
そう気付いた愛の、まんまるな目からぽろりと涙がこぼれた。
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:32:48.71 ID:tRJph1vFo
虚をつかれてとっさに動けなかったプロデューサーのケータイが着信音を鳴らす。
P「もしもし」
小鳥『あ、プロデューサーさん! 愛ちゃんオーディション受かったそうですね!』
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:39:53.46 ID:tRJph1vFo
小鳥『……わかりました。プロデューサーさん、今何をすべきかわかりますか?』
P「なにも……どうすればよかったのかも……」
小鳥『追い掛けるんですよ! 早く!』
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:44:55.97 ID:tRJph1vFo
プロデューサーは、走りながら愛へと電話をかける。
しかしそれが取られることはなかった。
P「愛……!」
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:47:13.96 ID:tRJph1vFo
絵理「……愛ちゃんはここには来てません。なにがあったんですか」
プロデューサーは、自分の言葉が愛を傷つけて、それで出ていってしまったと説明した。
愛の気持ちについては省いた。
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:48:45.00 ID:tRJph1vFo
サイネリア『愛ちゃん、……失恋しちゃったんデスかね〜』
絵理「わからない?」
短く即答。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:51:27.04 ID:tRJph1vFo
絵理「愛ちゃんは今回はあきらめるべき? 愛ちゃんが家に帰れば、あのひとと会うこともそうなくなるし、ダメージは少ない?」
サイネリア『………。なんかセンパイ、厳しくないデスか?』
絵理は一拍動きを止めた。
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:53:15.48 ID:tRJph1vFo
愛は走っていた。
周りを歩いているひとたちはまるでマネキンのように生気がない。
いつかの夢のように手をひいてくれるひとはいない。
手をひいて、一緒にいてくれたひとには、愛は手が届かなかったのだ。
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:55:41.43 ID:tRJph1vFo
愛「あたし、あたしは、うっ、わかんない、ひっく、わかんないよう!」
確立しつつある自己というものが認められない。
その苦しみは少女の心を引き裂かんばかりであった。
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 22:58:50.84 ID:tRJph1vFo
P「はっ、はっ、どこに、はぁ、行ったんだ……!」
夜の繁華街をプロデューサーはさまよっていた。
ネットカフェや居酒屋の並ぶ通り、妖し気な女性が声をかける横丁、信号の点滅する交差点、何台もタクシーが停まっている駅前。
どこを捜しても愛は見つからなかった。
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