20:電動ウォンバット ◆Eh2pKYcJqE[saga]
2013/07/07(日) 23:30:09.33 ID:1/eeXXi7P
食蜂「せんぱーい、今日暇ですかぁ」
問われても返事はしない。
私の思考を読んでいる以上、返答はわかっているはずなのだ。
この同居人のために、無駄な労力を使いたくなかった。
ちなみに私は現在、課題のための本を読んでいる。
いちいち頭を覗かなくても、この様子を見るだけで状況がわかりそうなものだが。
食蜂「ねぇ、昨日からずっとそんな感じじゃないですかぁ、私何か悪いことしましたっけ?」
白々しいにも程がある。
入学式から一週間。
彼女の傍若無人ぶりは留まるところを知らない。
気が乗らない授業は休む。
教師の記憶改竄は日常茶飯事。
あろうことか能力測定のデータさえ、彼女が観測係に適当な情報を吹き込んだとしか思えない、めちゃくちゃなものになっていたそうだ。
もっとも、それを問題にしようとするような教師は、すぐに察知されて改竄の対象になるし、生徒の方は彼女の行動に比較的寛容なようだった。
品行方正なお嬢様を養成するこの学校でも、能力者特有のおごりとでも言うべきか、「能力こそ全て」といったような輩は少なからず存在する。
そう言った連中にとっては、食蜂の行動は問題にするようなものではないらしい。
むしろ羨望の的となっているフシさえある。
私はそのような彼女の行いを快く思っていない人間だ。
だが、彼女の振る舞いをなんとかしようと手は打ってみたものの、その試みはことごとく叩き潰されてしまった。
私の目論見は丸見えなのだから、当然といえば当然なのかもしれないが。
おかげで3日目には諦めがつき、もう彼女の蛮行には口を出さないことにした。
それでいい気になったのか、彼女は私をからかって遊ぶことにしたらしく、寮以外の場所でもやたらと絡んでくるようになった。
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