過去ログ - 絹旗「私が探し続けたものは――」
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25: ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2013/07/12(金) 00:55:44.42 ID:/v0IwgxGo
例えば、理事長であるアレイスターを殺したら何か変わるだろうか?
例えば、出会った絆、魔術師達に協力を依頼したら何か変わるだろうか?
――答えは否だ。
――俺たち能力者がいる限りこの街は変わらない。
――もっと、普通の世界で出会いたかったな。
インデックス、ステイル、神裂。
麦野、滝壺、フレンダ、心理定規。
そして、いま自分の腕の中で穏やかな寝息をたてる絹旗最愛。
――学校のクラスメイトとか後輩とかさ、なんでもいいから普通の世界で出会いたかった。
「てい……とく……だい、好きです」
寝言でそうつぶやいた絹旗のおでこに垣根はそっとキスをした。
――この幸せは……いつまで続くんだ?
求め続けた存在が自分の手の届くところにいてくれる。
その幸せが有限のものだと、垣根は知っている。
もしもそれが無限の永遠のものならば、垣根の母親は今でも垣根の側にいるはずだ。
――気持ちは変わらない。変わるのは……それ以外のものばかりだ。
自分が取り残される。
全てが過ぎてゆく中で、自分だけが動けない。
完全な孤独を、垣根は恐れていた。
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