過去ログ - モバP「雨の色?」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/27(木) 22:32:29.95 ID:Mi8zjoZEo

 ――しとしとと降る雨が、ささやかな音と共に湿度を届けている事務所。

 ここ最近は降水確率が常に半分を超えているようで、水音を聞かない日は無い。


 そんな梅雨の日。


 こういう季節は本当に外に出るのが億劫だと思いながら、今日のスケジュールを確認するついでにパソコンの電源を入れて代わり映えのしない雲に覆われた景色を外を眺めていると、事務所の扉が開く音がした。

「おはようございます、Pさん」

 暑い夏に涼しさを与えるような声が聞こえて振り向くと、長い髪を後ろに束ねたアイドルが居た。

「おはよう。今日は朝からだったか」
「いえ。ですが、梅雨ですから早めに来てみました」

 細いながら黒い髪と対比して鮮やかな色をしたリボンが彩るポニーテールを揺らし、アイドル――水野翠は、そう答えた。

「ああ、梅雨だからな」
 蒸し暑い時もあれば、雨で服や荷物が濡れて極めて不愉快になるのが梅雨である。
 翠は濡れた鞄の角をタオルで包んで乾かしながら、事務所に備え付けられたソファに座った。

 億劫なのは翠もきっと例外ではない。
 濡れたまますぐ再び出て行くよりは、早めに来て身の回りを乾かしてから良い状態でまた出て行きたい。そう考えているのだろう。

 我が事務所を支える事務員のちひろさんは今日は休みである。


 こうして、早朝の事務所には俺達二人だけが滞在していた。






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