過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」2巻
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/06/28(金) 21:34:18.98 ID:tARKFY50o
ダンボール箱から取り出したホーリービタンβを一つ飲んでみた。
恵美「まんまドリンク剤ね……本当に効果あるのかしら」
特に何かが変わったようにも思えない。
とりあえず空き瓶をキッチンのゴミ箱に捨てようと顔を向けると、視界の端に映った惨劇。
恵美「あ……」
さっきダンボールを開封したとき放り出したガムテープが、……テレビの脇のテレビ情報誌の表紙に張り付いている。
恵美「ああああああああああ!」
叫びながら雑誌に駆け寄るが、目の前の現実は変わらなかった。
恵美「せっかく水戸の副将軍様が表紙だったのに……」
いや、まだ諦めるには早い。
ゆっくり剥がせば何とか……
びりっ、と無情な音とともに、表紙は破れた。
恵美「あああ……」
ため息をつく。なんてことだ。
……元気を取り戻すため、座って携帯を手に取った。
『明日、遊びに行っていいですか』と、簡素なメールを彼に送る。
少しして帰ってきた返信は、『ああ』の一言だった。
恵美「……分かってるけど。マメな文章書くタイプじゃないって、分かってるけど」
独り言を呟きながら、足をじたばたとさせる。
寂しいなら電話の一つもすればいいではないかと内なる自分が言うが、それはそれでハードルが高いのだ。
くそう、前にテンションが高まったときには色々と言えたというのに。
……というか、思い出すと自分でも恥ずかしすぎることをのたまった気がするわね。
ああ、本当に、恋は難しい。
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