過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/06/30(日) 22:07:35.90 ID:XcxA+T7q0
「まいご、か?」
問いかけて。
彼女は、そっと手を伸ばしてくる。
右手に触れそうになって、咄嗟に手を引いた。
手に触れては不幸にしてしまうという自分なりの配慮のつもりで。
しかしながら目の前で手を引くというのは傷つけたかもしれない。
焦る俺に対して、その子は不思議そうな表情でちょいちょいと手を動かした。
「…ん? どこにてがあるんだ?」
玩具で遊ぶ猫のように。
ちょいちょいと手を動かして、彼女は首を傾げた。
俺を見上げ、しかし、どこか別の方向を向いて。
「…ぞんがいとおくにいるのか。きょりがつかめん」
「…おれのこと、みえてないの?」
彼女は、しばし口ごもり。
そして、困ったような笑顔で言った。
「おれさまは、めがみえないんだ」
ごめん、と反射的に頭を下げつつ謝る俺に。
彼女は首を緩く横に振って、それから、もう一度手に触れようとした。
「お、おれにさわるとふこうになるからだめっ!」
再び手を引く。
彼女は、じ、と金色の瞳をこちらの方へ向けた。
何も見えていないのだろうが、その眼光は存外鋭く。
「う」
「…だいじょうぶだよ」
彼女は、俺の手を掴み。
そうして、やわやわと優しく握った。
「ひとのからだは、なにもせずにだれかをふこうにするちからはもたない」
「……、お、れ。やくびょうがみだから。ふこうに、しちゃうんだよ」
掠れた声で反論する俺に。
彼女は、緩く首を横に振って明るく笑ってみせる。
「おまえはどうかんがえてもひとだとおもうがね。
まあ、かりにやくびょうがみだとしたならば、かみさまにあえてこうえいだ」
ふふ、と笑うその声には冗談の色こそあれど、嘲りの意図はなく。
何故だか泣きそうになった。俺は、その言葉に救われたんだろう。
「……よかったら、しばらくいてくれないか。たいくつしていたんだ」
彼女の細い足首には、長い鎖と、足枷。
俺は室内に足を踏み入れ、会話をすることにした。
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