過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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794: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/07/29(月) 21:06:56.41 ID:c39lyfSe0

「っは、はぁっ、」

フィアンマは夜の街を駆けていた。
路地裏を走り、追撃を避ける為に妙なルートを通る。
どこまで行けば撒いた事になるかはわからない。
もしかするとあちらはサーチ魔術を使ってくるかもしれない。
正々堂々と勝負を申し込んできた時点で、砲撃術式はないだろうと予測出来るが。

「……どうするか」

困った。
こういったトラブル回避には自信がない。
誰かに助けを求める程の事案とも思えない。
血まみれ傷だらけを覚悟して一度だけ攻撃するべきだろうか。

「おい、逃げんなよ。卑怯過ぎんだろ」

気がつけば、追いつかれていた。
フィアンマは後ずさり、床と壁に視線をやる。
爪が傷むのを覚悟で傷をつければ、術式が発動した。
自分の魔力は一切使用していない。故に、傷つくことはない。
この術式は魔力を通してある霊装に過剰な地脈の力を注ぎ込み、使用不能にさせるもの。
その霊装に魔力を通した当人が勝手に魔術を使う羽目になる。

「な、っ」
「……お前に話が通じるかは不明だが、…先程のはハッタリだ。 
 やれん訳ではないが、正直に言って現在の俺様はまともな魔術師とは呼べん。
 学園都市の能力開発の影響で、単純な術式でも命に関わる」
「なるほど」

納得し、攻撃姿勢をやめたトールはがっくりと項垂れる。

「条件がフェアじゃねえなら戦う意味もねえ。…残念だ。っつか先に言ってくれよ」
「本当に、純粋に勝負をしに来ただけなのか?」
「"俺は"な」
「……お前の所属している魔術結社は」
「ん? ああ、そういやその辺りは名乗ってなかったか。俺は『グレムリン』」

機械に悪戯をする妖精の名だった。


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