過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/07/29(月) 21:07:24.25 ID:c39lyfSe0
彼は先程までの素らしい態度ではなく。
一介の魔術師としてある種冷酷な態度になって彼女を見た。
「『グレムリン』の狙いはアンタだ」
「……俺様か。魔術が使えん体だというのに」
「その体質」
言われ、彼女は黙り込む。
彼女は"神様から愛されている"人間だ。
聖人とはまた違う特殊パターン。
特別な右手。
祈りの確実な成就。
類まれなる強運、幸運。
魔術師であれば欲しいと思う要素が、生まれつき彼女には備わっていた。
他の魔術師が奇跡の間借りをするのとは違い、彼女は自身の持ちうる奇跡を加工して捻出する。
彼女の傍に居るだけで、他の人間は幸運に恵まれる。
言うなれば、生けるラッキーアイテムと言ってしまっても問題はないだろう。
「……それを、ウチのリーダーが欲しがってる」
「お前は斥候か」
「一応な。別に命令が無い限りアンタに危害を加えるつもりはねえよ。
最も、命令があっても従うかどうかは別だけどな」
「実に魔術師らしいな」
「まあな」
霊装が壊れていないかチェックしつつ、トールはゆっくりと息を吐きだした。
「害意はねえよ。信じるかどうかは別として、一応言っておく」
「そうか」
信じる訳がない、と彼女はぼんやりと思う。
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