過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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798: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/07/29(月) 21:08:15.28 ID:c39lyfSe0

オティヌス。

そう普段名乗っている魔術師は、少女の見目をしていた。
実際にはそれなりの年齢なのだが、容姿は偽装している。
鍔広の帽子を被り、物々しい眼帯が隻眼を覆っていて。

「……」

彼女は、空を見上げる。
彼女は、右方のフィアンマ―――フィアンマ=ミラコローザという少女を保護する為に、ここまでやってきた。
勿論学園都市にはちょっとした不快感もあるし、世界を歪めたいとは思っている。
現在の、争いばかりでどうしようもない世界を適度に歪めて。
多くの混乱とふるい分けの後、心が美しい人間だけを残そうと思っているのだ。
ローマ正教に虐げられてきた少女が、もう二度と泣かないで済むように。

「……ん」

彼女は、魔神―――ではない。
かつて一度その座についたものの、奪われた。
その男がフィアンマを攫う前に、彼女を連れ去らねばならない。
学園都市は、彼女に何の得ももたらさない。拒絶はしないだろう。

「…元気だろうか」

気性の荒いオティヌスにしては珍しく。
懐かしむように、愛おしむように、彼女は呟いた。


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