過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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815: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/07/30(火) 22:01:53.53 ID:jUvKZndP0

魔神の座を奪われた。
その事実が人生に強く食い込み、絶え間無い絶望を遺していた。
別に、魔神になったところでやりたいことなどなかったはずだ。
精々が自分の気に入らない人間を消す程度、それ位。
だから気にしなくても良いはずだったのに、予想以上に、その出来事は響いた。

呆然とする道中に。

立ち塞がるローマ正教の騎士団が、酷く邪魔なものに思えた。
俺の人生はただ一度たりとも、成功が許されなかった。
幼い頃から貴族の家の次男(スペア)として育てられ、ぞんざいな扱いを受け。
生みの親にさえまともに愛されたこともないまま、魔術の道に進んだ。
魔神になれば、魔術の道では成功したことになる。そう思っていた。
だというのに、唐突に湧き出てきた女に攫われた。

『……邪魔だ』

八つ当たりだという自覚はあった。
普段ならば、関係のあるなしに関わらずストレスを他者へぶつけたりはしない。
だが、どうしても我慢ならなかった。

どいつもこいつも。

全員が全員、俺の人生を阻害する。
当人達にその意思はなくとも、結果的にそういう行動をしている。
何を考えるでもなく、ただ持っている力を乱暴に振るった。
倒れていく人間の姿に昏い快楽を覚えなかったといえば嘘になる。

が。

『……とまれ』

その少女を、障害物と認定することが、出来なかった。


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