過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/07/30(火) 22:02:26.46 ID:jUvKZndP0
倒れている、ローマ正教が誇る騎士団の男達。
まだ息の根のある彼らに最期を与えようとする俺の前で、その小さな少女は両腕を広げていた。
まるで、その騎士団達の上司か何かでもあるかのように。
そこまで、考えて、俺は彼女が何者であるかという可能性に辿りついた。
『…右方のフィアンマ、か』
『……』
『そこをどいてくれないか。先に攻撃してきたのはそちらだろう。
魔神になり損なった私を捕縛する目的だったのだろうし、反撃も自由なはずだが?』
『だめだ。……こちらのひれいはわびよう。ここはひきさがってくれないか』
彼女の瞳は、焦点が合っていなかった。
弱視か、或いは盲目か。
薬物を使用している様子は見られないし、音で判断していることから恐らく後者だろう。
籠の鳥。
彼女のイメージは、そんなものだった。
ローマ正教二○億が秘匿する奥底の最終兵器。
どこかの大聖堂に隠されていると言われていた箱入りの令嬢。
年齢にして十歳程度、といったところか。
そんなにも幼い少女が正体であったことにやや驚きつつも。
俺の正体を恐らく理解していながらも騎士達を守るために立ち塞がる彼女が、眩しく見えた。
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