過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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872: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/08/04(日) 00:55:44.38 ID:7NQGR9Tl0

彼の衣服は。
薄水色のセーターから、黒いシャツに変わっていた。
左目には眼帯をしているし、被っている帽子は鍔広のものだ。
オティヌスと同じような装いは、魔神としての力を引き出すために必要な一揃え。
ここに『主神の槍』を揃えれば、純粋な魔神特有の『無限の可能性』に囚われずに済む。

「……………、」

フィアンマは、一方通行の前へ立った。
動揺と困惑に支配された脳が、警鐘を鳴らしている。
この男は、一方通行を殺害する気だ。

「待て」

フィアンマとオッレルスの間に、少女が現れた。
いつの間に現れたのかまったくわからない辺りが、魔神の領域にいる魔術師というべきか。
オッレルスは少女、オティヌスを前に、冷めた視線を向ける。

「……彼女は私が保護をする」
「その必要はない。私が保護をすれば良いだけだ」

大きな音。
衝撃と衝撃が積み重なり、決着のつかぬ膠着状態が続く。
フィアンマはオティヌスの背後で膝をつき、一方通行の頬へ触れた。
幻覚による打撃、しかし受けたダメージは本物。
彼の頬は軽く腫れていた。魔術を使うことを拒否されている彼女は、冷たい手で優しく撫でた。
それはひりひりとする痛みを呼び起こすものだったが、心情的には多少痛みが安らぐ。

「ッ…」

彼は、何かを言おうとした。
だが、うまく言葉にならない。喉が渇ききり、声が出てこない。


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